データの素性をハッキリさせよう
インターネットは情報を発信するための審査をうける必要のない、自由なメディアです。その結果、粗末な情報、無責任な情報も多数存在しているため、テレビや新聞・雑誌に比べて内容の信ぴょう性が疑われやすい傾向にあります。そのような環境の中で、あなたのホームページがユーザーの心を動かすには、「信用してもいい」と思われるだけの裏づけが必要です。
まずは、説明に使っているデータの素性をハッキリさせましょう。そのデータがどのように作られたのか、出典元はどこなのかを示すことで、説明の客観性が高まり、信用されやすくなります。逆に、どれだけあなたの説明が論理的に正しくても、元となるデータの素性がわからなければ、ユーザーはなかなか信じてくれません。
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- 全国100名のお客さまへアンケートした結果、ご購入いただいた方の9割以上に「大変効果があった」とお答えいただいております。
2番目の方が説得力ある文章になりました。いい加減な思いこみや感想による数値ではなく、きちんとした調査に基づいていることがよくわかるからです。
特に、使用しているデータがどこかから引用してきたものなら、その出典はハッキリと明示しましょう。「検証しても大丈夫」ということがわかり、情報に対する安心感がより高まります。インターネット上で公開されているデータなら、そのホームページやファイルへのリンクを置いて置くことも大切です。
- 国内のインターネット利用者は7,700万人を突破しています
- 国内のインターネット利用者は7,700万人を突破しています(総務省「平成15年通信利用動向調査」による)
1番目の例では、「本当かな?」という疑問が残ります。2番目の例では、出典をハッキリさせ、情報元へのリンクを置いたことで、説得力が増しました。
なお、HTMLには、出典や参照先を定義するcite要素があり、<cite>出典・参照先の名称</cite>
とタグ付けします。リンクに関しては、a要素を用いて、<a href="ジャンプする先のURL">リンクを張りたい文字列や画像</a>
とタグ付します。
引用をうまく使おう
説明には他者の情報をうまく引用しましょう。引用を用いることで、あなたの説明が独善的なものではなく他者の考えをふまえているのだとわかるため、説得力が増します。
たばこを吸う人は、吸わない人に比べ、死亡率がとても高いことが明らかになっています。たとえば、厚生労働省は「喫煙と健康問題について詳しく理解したい方のために」というページで次のような発表をしています。
喫煙男性は、非喫煙者に比べて肺がんによる死亡率が約4.5倍高くなっているほか、それ以外の多くのがんについても、喫煙による危険性が増大する。
- お子様の教育には、お父様のお力が大変重要です。思想家として高名なルソーも、
世界で1番有能な教師よりも、分別のある平凡な父親によってこそ、子供は立派に教育される
と言っています。
1番目の例も2番目の例も、ユーザーに信頼されそうな情報を引用することで、説得力の高い説明になっています。
ただし、ユーザーにとって素性の分からない情報源からの引用ではあまり効果が高まりません。引用元は、出来るだけユーザーに信頼をもたれている情報源を使って下さい。ターゲットとするユーザーによって使うべき情報源は異なりますが、次のようなものはおおむね、誰にとっても信頼感の高い情報です。
- 官公庁や公的企業、研究機関、新聞や専門誌など、「正しい情報を提供することが当たり前」と認知されている機関が発表している情報
- その分野で有名な人物・団体の発言
なお、HTMLでは、先ほどの1番目の例のような、1つの文章として固まった引用を定義するblockquote要素と、2番目のような1文の中で紹介される引用コメントを定義するq要素があります。それぞれ、<blockquote><p>引用する文章</p></blockquote>
、<q>引用したコメント</q>
とタグ付けします。