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言葉をそろえよう
統一感の無い文章は、わかりにくい上、完成度の低さを強く感じさせます。言葉の使い方はそろえるようにしましょう。
文体をそろえよう
だれかと会話をしていて相手の態度がころころ変わるようなら、あなたはどう思いますか? 私なら、何か強い違和感を感じてしまうと思います。文章において、相手に対する基本的な態度を決めるのが、常体(で・ある調)、敬体(です・ます調)などの文体です。
- 私たちは、日々技術の向上に努めています。なぜなら、お客さまの期待に添うには、どこにも負けない技術が必要だからだ (敬体と常体が混ざった状態)
- 私たちは、日々技術の向上に努めている。なぜなら、お客さまの期待に添うには、どこにも負けない技術が必要だからだ (常体に統一)
- 私たちは、日々技術の向上に努めています。なぜなら、お客さまの期待に添うには、どこにも負けない技術が必要だからです (敬体に統一)
1番目のように、文体があちこちで変わっている文章は、単純な記述上のミスとして目立ちやすく、校正不足の印象を強く与えます。例外を除いて、文体はページ全体、サイト全体でそろえるように気を付けましょう。主な例外は次のとおりです。
- 見出しは、本文と文体が異なっていてもおかしくはありません
- 箇条書きの中は、本文と文体が異なっていてもおかしくはありません。ただし、1つの箇条書きの中では1つの文体にそろえましょう
- 引用文のような挿入された文章は、本文と文体が異なっていてもおかしくはありません
用語と表記の揺れを無くそう
何かを説明するとき、使用する用語や表記があちこちで異なっていると、まるで別々のことを話しているように聞こえます。
- この自動車は、低燃費でありながら加速性抜群です。また、このクルマは非常に低価格で、お買いもとめやすくなっております
- このクルマは、低燃費でありながら加速性抜群です。また、このクルマは非常に低価格で、お買いもとめやすくなっております
1番目の例では、一瞬「自動車」と「クルマ」が別々のような印象を与えます。文脈上、意味はつながりますが、単純な記述上のミスとして目立ちやすく、校正不足の印象を強く与えます。
どれだけ気を付けていても、使用する用語や表記は揺れてしまいがちです。次の点に注意して、ページ全体・サイト全体で使用する言葉を、できるだけそろえるようにしましょう。事前にその文章におけるグロッサリー(用語集)を作っておけば、重要な言葉の揺れを未然に防ぐことができます。
- 用語をそろえる
- 言葉には多数の類義語・同義語 があります。そのため、「自動車」「クルマ」とか「PC」「パソコン」のように、無意識のうちにあちこちで使う単語が変わってしまう場合があります。専門用語は特に目立つ部分なので注意してそろえるようにしましょう。
- 漢字・仮名づかいをそろえる
- 日本語文章は漢字と仮名文字で構成されています。そのため、「私達」「私たち」「わたしたち」のように、場所によって表記が変わってしまう場合があります。単純なミスに見えますので、注意してそろえるようにしましょう。
- 数字・単位の用法をそろえる
- 「10」と「十」、「キロメートル」と「km」のように、数字・単位の用法には様々な形があります。異なる用法が混ざり合っていると、別々の意味を持つように見えますので、注意してそろえるようにしましょう。また、英数字には半角と全角がありますが、あちこちで異なっていると単純なミスに見えますので、これも注意してそろえるようにしましょう。基本的には半角にそろえる方がスッキリして見やすいと思います。
なお、「文章・用字用語ハンドブック」(テクニカルコミュニケーション研究会編・日経BP出版センター)には、マニュアルのライティングにおける使用すべき言葉の選び方が掲載されています。言葉をそろえる際に「どれに合わせるべきか」と悩んだら、参考にしてみてください。