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構成をはっきりさせよう

飽きさせず、わかりやすく伝えるためには、筋道のしっかりしたストーリーが欠かせません。メリハリのある、ハッキリとした構成にしましょう。

章立てを決めてから書こう

何も考えずに理路整然とした話ができる人はあまりいません。そのため、だれでも大切な説明をするときには、事前に伝えるべき要点を決めておいて、その要点ごとに話を進めているはずです。文章を書くときも同様に、ただ思いつくままに書いていくのではなく、あらかじめ、章立てを決めてから書くようにしましょう。

うまく章立てを決める方法としてよく知られているのは、伝えたい・伝えるべき話題を一度箇条書きの形でリストアップして、どのような順番で話すのか整理するというやり方です。たとえば、私がスポーツカーを買って、友人に自慢する手紙を書くとしたら、まずは次のようなことを伝えたいだろうと思います。

  • すごくよく曲がる
  • すごくよく止まる
  • 加速がいい
  • 動きがダイレクトに伝わる
  • レスポンスがいい
  • 外観がかっこいい
  • インテリアがかっこいい

次に、この箇条書きをもとに、項目のグループ分けをしたり、足りない項目を増やしたり、余分なものを削ったりしながら、説明の章立てを決めていきます。たとえば、次のような形です。

  • 私のクルマはすばらしい / 買って良かった
    • 運動性能がすばらしい
      • ハンドリングがいい / 動きがダイレクトに伝わる・すごくよく曲がる
      • ブレーキ性能がいい / すごくよく止まる
      • エンジン性能がいい / 加速がいい・レスポンスがいい
    • デザイン性がすばらしい / どんなに見ても飽きない
      • 外観がかっこいい
      • インテリアがかっこいい

ただし、この形が正解かどうかは相手によります。クルマの加速性能にこだわる相手に話すなら「加速がいい」から話すほうが効果的でしょうし、クルマの運動性能に興味の無い相手なら「運動性能がすばらしい」は必要無いかもしれません。また、ランニングコストにこだわる相手なら、そのことについても詳しく話す必要があります。言いたいことをただ順番に並べるのではなく、ユーザーの視線からみた、「わかりやすさ」「おもしろさ」を考えながら煮詰めていきましょう。

なお、文章の章立てを決める上では、プレゼンテーション関連のテクニック書籍がとても参考になります。人に何かを伝えるという意味で、文章とプレゼンテーションの本質は同じものだからです。

大きな意味のまとまりには見出しを付けよう

お手元にあるビジネス書籍を何か1つ手にとってみてください。章、節、項など、ストーリーの大きなパーツごとに見出しが付いているはずです。もし、見出しの全く無い文章だとしたらどうでしょう? おそらく、話の流れがよくわからない、難しい印象を持つはずです。

見出しは、その文章がどのような構成でできているのかを知らせる、目次の役割を果たします。あなたのホームページでも、全体の文章量をふまえて、大きな意味のまとまりごとに見出しを付けるようにしましょう。たとえば、私が先ほどの「愛車自慢」の例をこのページぐらいの文章量でホームページにするとしたら、次のように見出しを付けると思います。

  • (大見出し/タイトル) 私のクルマはすばらしい
    • (中見出し) 運動性能がすばらしい
      • (小見出し) ハンドリングがいい
      • (小見出し) ブレーキ性能がいい
      • (小見出し) エンジン性能がいい
    • (中見出し) デザイン性がすばらしい
      • (小見出し) 外観がかっこいい
      • (小見出し) インテリアがかっこいい

もしも、うまく見出しを置くことができないようであれば、章立てがあいまいになっていることが考えられます。ストーリーの構成から見直しましょう。

なお、HTML文書では大見出し〜小見出しまで6段階の見出しを使うことができ、h要素を用いて定義します。具体的には<hn>見出し名称</hn>(nは1〜6の数字)という形でタグ付けします。h1が最も大きな見出しで、数字が増えるほど「小見出し」になります。このとき、見出しは、章から節、節から項など、話が細かくなるほど、順々に小さなものを使うようにしてください。h2の見出しを使わずに、突然h3の見出しを使うような、間を飛ばした使い方は、HTMLの文法上好ましくありません。

1つの見出しの中は4段落程度の説明にしよう

1つの見出しの中にも、見出しをタイトルとした小さなストーリーがあります。ストーリーがある以上はしっかりとした構成を考えなければいけませんが、そんな細部まで事前に考えておくことは大変難しいことです。

そこで、1つの見出しの中での説明は、4段落程度におさめることを試してみてください。大体のストーリーは、「メッセージ単体」「因・果」「序論・本論・結論」「起承転結」のいずれか、または、その変形パターンで構成されています。1〜4段落程度にまとめることを意識していると、無意識のうちにいずれかのパターンでうまくまとまります。

話の論理性をチェックしよう

どれだけ構成を練ってから書いても、話のおかしな部分は残ってしまうものです。しかし、1カ所の論理的なおかしさが、ストーリー全体の意味をわからなくしてしまう場合もあります。次にあげる点をチェックして、話のおかしな部分はできるだけ無くすようにしましょう。

関係の無い話が混ざっていないか?

章・節・項など、文章の1ブロックは1つの主旨でまとまるように構成してください。関係の無い話が混ざると、ブロック内での因果関係がうまく成り立たなくなるため、ユーザーに違和感を感じさせる原因となります。

  1. 店頭には専門スタッフがいるので安心です
    • どのような質問にも詳しくお答えできます
    • あなたに最適の商品をアドバイスします
    • お店が駅前にあるので便利です
  2. 当店は安心・便利なお買い物ができます
    • 店頭には専門スタッフがいるので安心です
      • どのような質問にも詳しくお答えできます
      • あなたに最適の商品をアドバイスします
    • お店が駅前にあるので便利です

1番目の例では、「お店は駅前にあるので便利」という理由が、「店頭に専門スタッフがいる」ということと関係無いため、説明に違和感を覚えます。2番目の例では「店頭に専門スタッフがいる」ということを別に分けたため、意味がすっきりしました。

話にモレがないか?

説明にモレがあると、話の因果関係がつかみにくくなります。「何かモレがあるのはわかる、でも何が足りないのかわからない」というときには、5W1Hや、その変形である6W1H・5W2Hでチェックしてみましょう。不安に思っている部分に、次の要素が盛り込まれているか、読みとれるようになっているか、確認してみてください。

  • Who / だれが
  • When / いつ
  • Where / どこで
  • (Whom / だれに)
  • What / 何を
  • Why / なぜ
  • How / どのように
  • (How match / いくらで)

5W1Hは説明的な文章を書く上では基礎中の基礎と言われていて、ニュースの原稿などは必ずこれをふまえて書かれているそうです。あなたの説明に何が足りないかをチェックして、それが必要そうなものであれば補うようにしておきましょう。

理由が十分に示されているか?

説明に説得力を持たせる上で特に大切になるのが、「なぜそうなのか」という理由を十分に示すということです。「AだからB」のような説明をする部分では、「なぜ」「どうして」を何度も繰り返して、モレの無い十分な理由をあげるようにしましょう。

  1. この製品の原料は100%廃品のペットボトルです。そのため、同じ値段の他社製品より高品質です。
  2. この製品の原料は100%廃品のペットボトルです。廃品とはいえ純度は新品と変わらず、材料費も安くなっています。製造工程に費用をかけることができ、同じ値段の他社製品より高品質にすることができました。

1番目の例は、廃品のペットボトル=高品質の理由がモレているため、説得力の乏しい、違和感の残る説明になってしまいました。2番目の例では「材料費をおさえることができた結果、製造工程に費用をかけることができた」という理由をハッキリさせたため、違和感無く同意できる説明になりました。

順を追った説明になっているか?

説明をするときには、「AだからB」「AなぜならB」のように、前後の話が必然性でつながっている必要があります。

  1. コンピュータウィルスの対策をしよう
    • コンピュータウィルスは対策さえしておけば心配はいりません
    • 最近コンピュータウィルスの被害が多くなっています
    • コンピュータウィルスの対策をしましょう
  2. コンピュータウィルスの対策をしよう
    • 最近コンピュータウィルスの被害が多くなっています
    • コンピュータウィルスは対策さえしておけば心配はいりません
    • コンピュータウィルスの対策をしましょう

1番目の例では、「対策をとれば心配は無い」「ウィルスの被害が多い」のつながりが見えず、話の流れに違和感を覚えます。2番目では「ウィルスの被害が多い」しかし「対策をとれば心配は無い」だから「対策をしよう」という順番にすることで、違和感の無い理解しやすい構成になりました。

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