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適切な例をあげよう

例え話はユーザーの想像力を高め、あなたの真意を伝わりやすくします。適切な例をあげて説明しましょう。

例え話でわかりやすくしよう

どんなに論理的な説明をされても、はじめて聞く話は理解しにくいものです。人は言葉を過去の経験に基づいた感覚と結びつけることで物事を理解していくのですが、全く未知の情報は過去の感覚と結び付きにくいため、理解するのに労力を要するのです。そこで、文章を書くときには、できるだけ例をあげて説明するようにしましょう。ユーザーがすでに知っていることで例えることによって、頭の中での「結びつけ作業」をスムーズにして、理解を助けることができます。

  1. 書類お届けサービスでは、機密性の高い書類を、安心確実にビジネスパートナーへお届けします。
  2. 書類お届けサービスでは、電子メールや郵便では心配な機密性の高い書類を、安心確実にビジネスパートナーへお届けします。いわば、みなさま専用の書留郵便です。

1番目と2番目を比較して、サービスの内容を想像しやすいのはどちらでしょうか? 私なら2番目の方が想像しやすいです。「電子メール」「郵便」「書留郵便」に抱いているイメージとリンクさせることで、私なりの感覚でこのサービスの本質を理解することができました。

論理的なだけの話は、ユーザーにとっては数学の問題を解いているようなものです。解釈するのに頭を使い、難しく感じてしまいます。適切な例えをあげながら説明することで、ユーザーの想像力を高め、情報の本質を楽に、確実に伝えることができるわけです。

まずは、ユーザーのプロフィールをふまえた上で、あなたが伝えたいメッセージに例え話を付け加えてみましょう。ユーザーが「こういうことか!」と想像さえできれば、メッセージは伝わったようなものです。注意すべき点は次のとおりです。

具体的でハッキリとした例をあげる

例をあげるときには、できるだけ具体的でハッキリとした話にしましょう。元の話とあまり変わらないようでは、例をあげる意味がありません。

  1. この新しいエンジンは従来のものに比べて30%も燃費が向上しています。たとえば、今まで100リットル必要だった距離を70リットルで移動できます。
  2. この新しいエンジンは従来のものに比べて30%も燃費が向上しています。たとえば、今まで東京から名古屋まで行くのに使っていたガソリンの量で、大阪まで足を伸ばせます。

1番目の例は、「30%向上」を「100:70」と言い換えただけの形で、わかりやすさはそれほど向上していません。より具体的な「東京〜名古屋が、大阪まで」のほうが、違いを想像しやすく、「30%向上」のすごさがわかります。

ユーザーがよく知っていることで例をあげる

どれだけ絶妙な例をあげても、それが相手に伝わるものでなければ意味はありません。ユーザーの理解度や経験をふまえて例をあげましょう。

  • このマッサージチェアは30000円と大変お買い得な価格です。3000円のクイックマッサージたった10回分で、毎日好きなだけマッサージできます。(クイックマッサージを利用する人なら想像しやすい)
  • このデジタルカメラは1500万画素という超高画質です。35mmフィルムの画質を、もはや完全に超えました。(写真に詳しい人なら意味を想像しやすい)

2つとも、ターゲットとするユーザーならよく知っていることで例をあげてみました。日常知っていることと比較することで、より商品の性質がハッキリしています。

ことわざや故事をうまく使う

ことわざや故事は、だれでも知っている「言い得て妙な例え」です。あまり使いすぎると堅い印象を与えてしまう場合もありますが、うまく使ってみましょう。

  1. 私たちにとってはとても簡単なことだ
  2. 私たちにとっては赤子の手をひねるようなものだ

どうでしょうか? ことわざを使った2番目の方が、ずっとわかりやすくなっていると思います。

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